梅雨の晴れ間を縫って、秘蔵の一枚板(?)のうち長板(カウンター用)の整理をしました。

写真の赤い板は『サペリ』。アフリカ材です。
最近は日本に入ってくることも少なくなりました。ですから貴重な一枚です。
この『サペリ』の板は、木材の製品市で、かなり前に仕入れたものです。
『サペリ』には珍しい玉杢が現れています。
10年以上前のことです。
ちょうど事務所の前に私がいたときに2メートル近い大きな黒人の男性がやってきて話しかけてきたのです。
「社長さん、いますか?」と。
用件を尋ねると、「材木を売りに来た」とのこと。
工場に先代を呼びに行き、商談が始まりました。
アフリカのコンゴ出身の彼は新潟大学に留学したことで日本語を流暢に操り、いかに素晴らしい木材をもっているかを語りました。
名古屋港の飛島(とびしま)に原木があるから見に来てくれと、熱心に誘う彼の情熱に絆され、私たちは翌日には飛島に出かけたのでした。
結局のところ、価格面で折り合わず彼から原木を購入することはなかったのですが、外貨を稼ぐという意味での木材の価値を考えさせられた覚えがあります。
この経験からも私は外国の木材も日本の木材も等価だと考えます。
最近は弊社に飛び込み営業をしてくる外材のブローカーもいなくなりました。

次の写真は、右から『タモ』、『神代タモ』、『くるみ』と板が並んでいます。
『タモ』の板は長さが6M以上あり店舗のカウンターなどに使ってもらえたら迫力があります。
『神代タモ』は土埋木ですから独特の風合いがあります。
私が気に入っているのは『くるみ』。叩くと金属音のような高い音を発しそうな表情をしています。
これらは感性に訴える木材です。
次回の倉庫の整理の折には、長板以外も紹介します。