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「一人親方」についてのNHKの報道にモノ申す

一昨日のことです。
帰宅すると、ちょうどNHKの9時のニュースで建設現場で事故で亡くなった「一人親方」を取り上げていました。

話はこうです。
建設現場で「一人親方」なる立場で仕事をしている人が事故に遭った場合、労災と認定されないケースについての話。
建設工事の急な増加によって、「一人親方」の事故が相次いでいる。
「一人親方」は、ケガも安全も自己負担・責任とされる立場であると。
事故で死亡に至ったケースでも、家族に事故原因状況が説明されることもなく、労災事故扱いされないので労災保険の適用を受けることがないと。
「一人親方」は個人事業主であり、工事の一部を請け負う会社の代表者・経営者なので労働者災害にはならず、労働基準監督署への事故報告の必要がないのだと。

酷く歪曲された報道を残念に思うと同時に、このような報道が続けられる限り建設現場の労働環境向上、建設業従事者の経済的充足という本質的解決には至らないと思うのです。
「一人親方」を食いものにする建設業界を糾弾したいのでしょうが、取材が不足している上に歪曲が存在します。

まず、「一人親方」の事故が労災に該当しないことなど、今や業界では常識です。
ですから、「一人親方」の労働災害特別加入なる制度が存在しますし、それへの加入が建設現場への入場の条件とされ、新規入場者教育・登録の段階で始動されています。
番組では、死亡事故に遭った一人親方の家族が登場し、「工期に追われ休みなく働いていた。労災ではないので事故の状況も知らされないし、保険の適用も受けていない。・・・」と嘆く姿を伝えました。
感情に訴えるには、それで良いのでしょうが、この報道には多くの誤りと不足があります。

まず死亡事故のような重大災害が発生した場合、被災者が労働者であるかどうかに関係なく、建設会社に安全義務違反がなかったかどうかが問われます。ですから労働基準監督署の関与はありますし、安全義務違反があれば損害賠償を請求することが可能です。
また、事故の状況が知らされていないという点。
「一人親方」の事故ということで労災にあたらずとも、警察による実況見分は行われます。事故なのか事件なのかについても。
それを労災ではないから労基署への報告義務がないので事故の詳細は不明と伝えたのです。
天下のNHKがそれらについて無知であろうはずが無いでしょうから、取材時に家族に伝えないことは不親切ですし、都合が良い部分のみを報道する在り方には恣意的歪曲が介入していると判断できます。
また、急激な建設工事の増加が「一人親方」の事故を引き起こしているとしながら、根拠となるデータ・数字を示すこともなく、登場した被災家族も数年前の事故ですから。

「一人親方」なる立場が、いかなるものかを正確に伝えることが必要です。
建設業などの個人事業主で、個人やその同居する家族のみで経営を行う事業主を「一人親方」と言い、他の労働者と同様の作業を建設現場で行いながらも労働基準法の適用外とされます。
「一人親方」は、基本的に請負契約なので、所得税、住民税が引かれませんし、厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険も自己負担であり、雇われ人ではないのです。
「一人親方」なる形態は、建設会社が一方的に求めたものではなく、「一人親方」として自立した事業者を本人が望んで成立するものです。

それを理解したうえで、建設業界で働く人間の安全環境の向上、経済的充足、精神的幸福を報道が訴えるならば、「一人親方」の労働者災害保険への特別加入なる制度の存在と加入促進しかないと考えます。
加入することが大きな負担になることはありません。
NHKのような大きな会社組織にいる人間には理解できないことかもしれませんが、「一人親方」なる形態に幸福を見出す人もいるのです。
建設業界が魅力的業界であることのひとつが、雇用の多様性でもあるのです。





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