秋晴れの土曜日。昨日は岐阜県銘木協同組合の原木市でした。

写真にあるように澄み切った青い空。御嶽山や恵那山の姿がうっすらと遠方に浮かぶ姿も見られ・・・。
空気も澄んで美しい空は気持ちが良いのですが、陽射しは強く風もそれなりにある初秋の一日。
いつの間にか、夏は終わり秋です。
暑さ寒さも彼岸までと言いますが、木材業界ではお盆が明けると『伐り旬』と言われるシーズンに入ります。
木が水を吸い上げる春から夏にかけての成長期は、立っている木に含まれる水分量が多く、伐りだされた木に水分が多く色艶が悪いことなどから昔から秋から冬が伐採に最も適したシーズンと言われています。
とりわけ木柄や色艶が重視される銘木業界では、この『伐り旬』に重きを置いているようです。
しかし地域によっては『伐り旬』の短いところがあります。積雪地帯です。
雪があっては物理的に伐採、出材が不可能ですから。
季節要因を重視する姿勢は丁寧な仕事を印象付けるものですが、科学的論拠が無い点からも、仕事として考えた点からも疑問をもちます。
木材の生育条件によっては元々含水量が少ない木であれば、どの季節に伐っても変わりないはずです。
木材産業が専業の職業として成立しません。
木材の個体差の本質を語ることなく、『伐り旬』をウリにするのは・・・。
また、一本一本、木の特性を見ながら製材加工するという言葉も同様。
一本一本、木の特性を見定めて製材加工することで価値が上がるものばかりではないことを、実は現場の人間は知っています。
集約することで製材手間(コスト)を抑えることで製品としての価値が高まる場合もあるのですから。
過度に印象操作をすることは私の感性には与しません。
さわやかな秋の日のように自然体で木と向き合いたいと思う材木屋の一日でした。