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市場が変わる

もう5年は経ったでしょうか。知人の設計士が公共建築物を木造で設計した時のことです。
設計図書作成時に、木材の仕様についての相談を受けた私は「仕様書に『JAS製品』とうたっておけば、品質管理された木材しか使えない。・・・。」とアドバイスをしました。

監理業務も請け負っていた知人の設計士からは、材料検査の段階でも相談がありました。
私は「製品の製材工場名を聞き取り、JAS工場であることを確認すること」と、「材寸の断面の測定はノギスを用いること」と、「含水率を測定する水分系は住木センターの認定品を用いること」をアドバイスしたのですが・・・。

材料検査直当日。
設計士が『製材工場名とJAS工場であることの確認』をすると、建設業者と、その木工事(大工工事)担当者から「ウチの材木屋はJAS工場以上に良い材料をだすから。」と答があったそうです。
その言葉を役所の担当者も異を唱えることなく受け入れる状況下で、木材に疎い設計士は、それ以上意見できなかったということです。
また材寸の測定はノギスでなくスケール(メジャー)、水分計は認定品は所有していないとのことで・・・。

当時の公共木造建築物や工業材料としての木材についての認識は、その程度だったのです。
設計者・施工者の恣意のままに木材の採用の基準が定められていたのです。

従来、公共建築物を木造化することなど想定されていませんでしたから、国土交通省が発行する標準仕様書も木造住宅を対象としたものしか存在しませんでした。
このたび国土交通省は『公共建築木造工事標準仕様書』を発行し、4月1日から適用すると発表しました。
一般的な木造住宅は4号建築物と言われ構造計算が必要とされませんが、同じ規模の事務所などを建築する場合には構造計算が必要です。
この標準仕様書では、構造計算を行なうためには材料強度の担保された木材が前提となり、目視等級区分と機械等級区分について規定しました。
これこそ『JAS製品にあらずんば工業製品として認めず』の意図によるものです。

木材の市場が変わると思います。
嗜好品としての木材では、不特定多数の人を納得させることができる工業製品としての木材供給が求められるからです。
公共木造建築で使用される木材のボリュームはまだまだ少ないでしょうが、木材についての意識が変わるでしょう。
木が好きな人だけの市場から、大きな市場へと、木材の市場が変わるキッカケとなるように思われます。

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本庄工業株式会社
代表取締役 中川稔之

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