スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

木質バイオマス発電について

弊社の古くからの取引先企業が『木質バイオマス発電事業』に参入すると、新聞報道されたことで、何人かの知人・友人から私に問い合わせを戴きましたが、申し訳ありませんが「寝耳に水」でした。
新聞報道後、早速問い合わせたところ「新聞報道以上の情報は社内でもない。」との回答しかもらっていません。

木質バイオマス発電については、チップを原材料として供給する話はありますが、弊社程度の規模の企業が参画する事業ではないと考えています。

再生可能エネルギー固定価格買取り制度の施行から、木質バイオマス発電も注目を集めています。
木材業界的に見れば、従来は山に捨てられていた間伐材、未利用材が燃料として利用される(金になる)ことを期待しているのでしょう。
それでも私自身が参画すべきでないと判断するのは、新規事業としての事業採算性の魅力がないからです。
まず太陽光と比較して、買取り固定価格のワリが悪いことと、プラント稼動後の手間・ロスの見通しが不透明であることが魅力に欠ける理由です。
プラントの規模によっては燃料である木材・原材料の供給によって、発電量が左右されることや、排出されるタール処理などのメンテナンス費用についての見込みの不安もあります。
事業としての安定性が問題となるように思われます。
その点、太陽光は分かりやすい。日照量に比例しますから・・・。
新規事業に限らず事業では、ヒト・モノ・金の心配がついて回ります。
ところが、事業としての太陽光発電は、ヒトの問題からは開放されますし、金も仕入れもありませんし初期投資を回収するのみです。モノについては機械の点検によって明らかになります。

木質バイオマス発電の場合、稼動後も、それらの問題から開放されることはありません。事業として見れば当然のことなのですが・・・。
ヒトの問題については管理者、作業員の労務管理。モノの問題については原料である木材の調達から、含水率などの品質に至るまで。金については燃料となる木材チップなどの相場の変動も・・・。
国のエネルギー政策に翻弄される可能性が大きい事業である中で、太陽光発電と比較した時に木質バイオマス発電の不利は大きいと感じます。

石油などを燃焼した発電と比較しても木材を燃やした場合は得られる熱量が不安定です。
木質系の原料は燃料としての性質にバラツキがあり、得られる熱量が不安定であるので、それを電力に変換することで、更にブレは大きくなります。
ですから木質バイオマスの最も有効な利用方法は、熱のまま利用することだと考えます。
手軽なところでは、『薪ストーブ』。また、『木質ボイラー』は、一定程度の規模まで大きくできるでしょう。

『木質バイオマス発電事業』は、不安定な木材に複雑なシステムが依存した仕組みであり、事業として取り組むには危険だと考えます。
『木質バイオマス発電事業』の不安定さを取り除くためには、立地の面では港湾型プラントとし海外からの安価なチップを利用することで供給量の安定性を図ることと、需要地に近いことが必要です。
当然事業としての規模は大きくなります。私のいい加減な試算では、リスクを均すためには最低でも年間1万キロワット以上の発電出力の規模と・・・。

事業体としては、単独の企業によるものでなく、原材料供給側から電力需要側にいたるまでの共同体とすることが必要であり、そこまで配慮しないと成立しないのが『木質バイオマス発電事業』の現状ではないかと考えます。

それでも『木質バイオマス』を発電に利用することを、エネルギー政策として国が推進したいなら、今以上の経済的後押しが必要だと考えます。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

jdforest

Author:jdforest
本庄工業株式会社
代表取締役 中川稔之

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリ
最新記事
最新コメント
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。